(福)記者のThe Daily Yomiuriの記事を訳してみた 1

昨日触れたThe Daily Yomiuriに載っている(福)(汗)記者のオタク記事、とりあえず読んでみるか〜とおもって読んでみたらものすごく挑戦的な文章で面白いと思ったので翻訳してみました。

こんなすごいの日本語版の時は全然書いてなかったよ!

多文化交流のためにも自国の文化について見識を深めましょう、みたいな。

ところでこの英文は記者自ら書いてるんでしょうかねえ?間違いなく英文の校閲は入っているはずなのですが・・・

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THROUGH OTAKU EYES / Romantic sighs of 'moe' unheard by loves Makoto Fukuda / Yomiuri Shimbun Staff Writer
オタクの目:画面の向こうには届かない、萌えという恋のためいき福田淳/読売新聞記者

(福)さんの名前って「まこと」って読むんですね、初めて知りましたw

When talking about Japan's so-called otaku cultures revolving around anime and manga, "moe" is one of the key terms you should remember.

アニメとマンガを中心とする日本のいわゆるオタクカルチャーについて話す時、「萌え」というキーワードを覚えておくべきでしょう。

cultures revolving around anime and manga: アニメとマンガを中心として回る文化。この使い方は便利かも。

TV programs that feature otaku use this Japanese slang word too often, as if it represents otaku themselves.

オタクを特集する日本のテレビ番組では、まるでこの言葉がオタクそのものと同義であるかのように、「萌え〜」の言葉が繰り返されています。

"otaku"が無冠詞。いつも"otakus"とするべきなのか迷うのですが、ここではオタクという属性をさしているだけかな?ちょっとぐぐってみたら複数形はotakuが普通と書いてあるサイトがあったり、Wikipediaでも明らかに複数形が入るべきところでotakuになってたり。確かにotakusにすると違和感ありますよね。

"Moe"--pronounced "mo-eh"--literally means "budding," as if in reference to a plant, and it is still used in the conventional literary world with its original meaning.

「萌え」、「mo-eh」と発音されますが、この言葉はもともとは植物の「芽吹き」を意味しており、現在でもこの意味で普通の文書で使われています。

as if in reference to a plant が訳せません!(as if がなければ訳せるのに) conventionalの意味もこれでいいのか分かりません!

These days, however, otaku use the term to talk about their love or fetishes for fictional manga or anime characters. The word may also refer to the characters' features.

しかし、最近では「萌え」という言葉は、実在しないマンガやアニメのキャラクターに対する愛、あるいはフェチ心について話をするときに、オタクたちによって使われています。また、キャラクターの属性を語るときにも使われています。

fetish: 訳しようがないよね・・・ fetishは可算名詞、loveは不可算名詞。
属性→feature ま、attoributeよりはしっくりきますね。

For example, "Suzumiya Haruhi moe" refers to an otaku's strong, special feeling for the high school heroine of Suzumiya Haruhi no Yuutsu, a popular anime based on a novel for teenagers. "Seira-fuku moe" means their love for sailor-style schoolgirl uniforms, while "meganekko-moe" reflects a fascination for girls wearing eyeglasses.

たとえば、「涼宮ハルヒ萌え」と言う言葉は、涼宮ハルヒの憂鬱という青少年向けの小説を原作にした大人気のアニメに出てくる高校生ヒロインに対する、オタクの強い、特別な感情を示しています。また、「セーラー服萌え」には、セーラー型の女子生徒の制服に対する愛が、「メガネっ子萌え」にはメガネをかけている女の子に惹き付けられる心が表されています。

原作のハルヒ萌えは無視ですかそうですか(何
この先で萌えの定義の話になりますが、"fascination"というのは結構魅力的な訳だと思うのです。

Comparing "moe" to other Japanese words, it is relatively similar in meaning to "kawaii," which is often used to describe what one thinks is cute or loveable.

他の日本語を探してみると、「かわいい」という言葉が「萌え」と似た意味を持っています。「かわいい」という言葉は、キュートだったり、みんなに愛されるようなものを表現するときによく使われます。

When otaku come into contact with that special thing they feel affection for, their emotions surge and they cannot stop themselves from exclaiming, "Moehhhh!!!"

オタクが心奪われる特別なものに出会うと、俺の感じている感情が俺に任せて「萌ええーっ!萌えーっ!!」と吹き出すのです。

冗談ですw
文章的には、なんでここ"that"special thingなんだろう?

The most important thing you should learn is that "kawaii" is a term used to evaluate the objects one is reacting to, but "moe" refers to the outburst of one's emotions.

これが重要なのですが、みなさんに覚えておいてほしいことは、「かわいい」という言葉は対象を評価するときに使われるのに対して、「萌え」は感情の爆発を表すものだということです。

ここチェック。この文章のキー。こういう分析を聞いたことはないし、的確だと思う。考えてみれば「ちゅるやさん長門より萌える」というような発言はなんか不適当な気もする。

It's a "one-way" word used only to describe emotional attachment to something, not to describe how the object itself is.

「萌え」は、対象に対する一方的な愛着感情を示すものであって、対象の性質について述べているわけではないのです。

すると「萌える法律読本」とかはどう捉えればいいんでしょう。本自体が萌えるのではなくて、読んだ人を萌え萌えにさせると解釈すればいいのかしら。moe-edじゃなくてmoe-ingみたいな。

In that regard, "moe" may be a highly symbolic word to plainly show the self-centered side of otaku personalities, who are generally said to be lacking in communication skills.

この観点からすれば、「萌え」という言葉は、一般的にコミュニケーション能力に欠けるとされる、オタク的人格の自己中心的側面を明快に示す、とても象徴的な言葉なのかもしれません。

はい、ケンカ売られてますよw
このへんの挑戦的な文章で一回も仮定法が使われてないのが印象的。この文章もmightじゃなくてmay。新聞記者は仮定法なんてつかっちゃダメなのかな?

The objects for which an otaku feels enthusiasm are mainly characters from two-dimensional worlds such as anime, manga and video games. But if they are real-life people, the otaku may be able to realize their wish if they dare to tell their feelings to the person they love.

オタクが熱をあげる対象は、たいていがアニメ、マンガやゲームの二次元世界の住人です。もし三次元が相手なら、オタクは思い切って告白すれば相手の気持ちを知ることもできるでしょう。

two-dimentional worlds という複数形の表現が二次元世界の無限性を示しているようで趣深いものです。ところでここのButは全く必要ないと思うのですが。(読み間違えてるだけ?)
ところで声優はどうなのかしら。そう考えるとジャニオタもキモオタと何のかわりもない?

However they'll never be answered no matter how passionately they declare the cuteness of the two-dimensional characters they love.

しかし、たとえどんなに高らかに彼らの愛する二次元キャラがかわいいことを宣言したとしても、画面の向こうから返事が返ってくることはないのです。

読売新聞用語としてtwo-dimensional characterという熟語が公式に認められました〜(ぱちぱち)
ところで、この文にwillが入っているのは、「もしかしたら将来ほのかが振り向いてくれるかもしれない!」という願望が入っていそうで怖いです。

Nevertheless, they can't stop their passion, which is bursting in their hearts. That kind of situation is what should be called "moe."

それでもなお、胸の内から噴出するパッションをとどめることは出来ないのです。この状況こそ、「萌え」と呼ばれるにふさわしい。

なんか重大な文章を取り扱っているような気がしてきましたw

It can be described as their romantic feelings for fictional characters. But it's a little bit embarrassing to say it so bluntly, so otaku convey the idea by saying "moe."

このような状況は、空想上のキャラに対するロマンチックな感情を抱いている、と表現することも出来るでしょう。しかし、こうも率直な言い方をするのが少し恥ずかしいオタクは、思いを「萌え」という言葉にのせるのです。

長門俺の嫁と言っている人は、とりあえず「萌え」という言葉にだまされないで「俺は長門由希を愛している!」と叫んでみてはいかがでしょうか。あ、雪さんは俺の嫁

However, many otaku have become increasingly reluctant to use "moe" as it has been featured in the mainstream media too often. I see a characteristic feature of Japanese language--overused words soon ceasing to be used at all--occurring in the phenomenon of "moe."

しかしながら、萌えという言葉を使うことに抵抗を示すオタクが増えています。テレビなどであまりにこの言葉が連発されていることが理由です。使われすぎた言葉はすぐに廃れていく、という日本語の特徴が、萌えという言葉の状況にも見て取れるように思います。

この文章を断定してしまうところもすごい!自分だったらせいぜいprobably because〜としか書けないよ・・・
あんまり萌えが廃れていることを意識することもないのですが、そういえば「俺の嫁」というのも萌えに代わるあらたな表現なのかも?と思ったりして。
ここでもやはり確実に複数形であるはずのところでotakuになってますね。otakuは単複同型、読売新聞が決めた。
ちょっとmainstream mediaって何かいな?と思ったり。あえてテレビと訳しました。(福)さんには悪いですがw

Fukuda is a writer in the Cultural News Department specializing in anime and manga. His column appears on this page on the third Friday of every month.

福田は、文化部に所属する記者で、アニメと漫画に精通しています。彼のコラムは毎月第三金曜日に掲載されます。(Sep. 21, 2007)

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今日の単語

「萌え〜」に近い感情を示す単語としていろいろなものが挙げられていますので、整理してみます。

romantic sigh, love, fetish, special feeling, fascination, affection, surge of emotion, outburst of emotion, emotional attachment, enthusiasm, declare the cuteness, passion, bursting in their hearts, romantic feelings

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んー、結構時間かかった〜。

引用になるような構成を取ってみましたのできっと苦情は来ない、というより見つからないと思うw
次回の予定は未定です。